2012年07月04日

歯周病の治療について

歯周病の治療は、歯周基本治療、歯周外科治療、メインテナンスという順序で進んでいきます。今回は、歯周基本治療について説明します。

歯周基本治療の目的
①急性の炎症を抑える
②慢性的な炎症を軽減させる
③歯垢除去(プラークコントロール)方法の確立
④歯垢除去(プラークコントロール)しやすいようにする
⑤咬み合わせを安定させる


歯周基本治療の項目
①急性症状の除去
②患者さんの歯周病治療への動機づけ(モチベーション)
③歯垢除去、歯みがき(プラークコントロール)
④スケーリング・ルートプレーニング
⑤不適合充填物・補綴物の除去
⑥一時的な歯の固定
⑦咬み合わせの調整
⑧むし歯・歯の根の処置
⑨抜歯
⑩矯正
など多くの項目があります。
なかでも、モチベーション・歯垢除去、歯みがき(プラークコントロール)・スケーリング咬み合わせの調整は大事な項目になります。

動機づけ(モチベーション)・歯みがき、歯垢除去(プラークコントロール)は、歯周病治療において、もっとも重要と言っても過言ではないものです。

歯周病の原因であるプラークは、日々作られるものなのでいくら歯科医院で除去しても一時的なものです。ですから、患者さん自身が歯周病に対して関心を持ち、日々の歯みがきを良好にでき維持できるようにする必要があります。


歯垢除去方法(プラークコントロール)には、薬剤を用いた化学的方法と歯ブラシを用いた物理的方法があります。ただ、歯みがきによるプラークコントロールが基本となります。


ブラッシング方法は、バス法、フォーンズ法、スクラビング法などいろいろありますが、人それぞれにあった歯みがき方法があります。歯科医院で自分に合った歯みがき方法を聞いてみて下さい。
また、歯ブラシだけで歯の汚れを完全に取ることは難しいです。そこで残りがちな歯と歯の間のプラークを取るのに、デンタルフロス、歯間ブラシの使用をお勧めします。


・スケーリングとは、歯についたプラーク、歯石、着色を機械的に落とすことを言います。


下図の様に歯石をとるだけで腫れていた歯ぐきが引き締まっているのが分かると思います。

スケーリング前065. 術前 舌側面観.jpg


スケーリング後068. 術後 舌側面観.jpg




今回は、歯周基本治療について説明しました。。
少し難しかったと思いますが、歯周病治療を成功に導くのは、患者さん自身の病気に対する意識と日々の歯ブラシがとても重要になります。


最後に歯周病のセルフチェックをしてみて下さい

Q1   疲れると歯が浮いた感じがする
Q2   歯を磨くと歯ブラシが赤くなる
Q3   家族に口が臭いといわれたことがある
Q4   朝おきると口の中が粘ついている
Q5   歯がグラグラする
       (最近堅いものがかみにくくなった)
Q6   昔と比べて前歯が長くなったような気がする
Q7   昔と比べて歯が長くなったような気がする
             (歯ぐきがやせた)
Q8   歯と歯の間にものがはさまるようになった
Q9   歯ぐきをおすと痛い
Q10  歯がしみる
     ※5つ以上該当する人は要注意です!!
歯周病は、痛みなく徐々に進むことが多いので該当する数が多い方は、歯科医院にお早めに受診して下さい。


次回は、歯周外科処置についてお話します。
posted by フレンド・デンタル・オフィス at 19:13| 歯周病 | 更新情報をチェックする

2012年05月08日

歯周病の診査・診断法について

歯周病の診査・診断の前に簡単に歯周病とはどの様な病気なのか説明したいと思います。

歯周病とは、文字通り歯の周りの病気です。歯の周りの組織には、歯肉(歯茎)、セメント質(歯の一部分)、歯根膜(歯と骨を結びつけるもの)、歯槽骨(歯を支える骨)があります。

これらの組織が歯垢(プラーク)に含まれる歯周病菌に感染し、炎症を起こすことによっておこります。

症状としては、歯茎の腫れ、出血、歯の動揺・脱落、口臭などがあります。



 歯周病検査
歯周病治療を進める上で以下の検査は必須でとても重要なものです。


プラーク検査


この方法は、皆様も1度は学校などで体験したことがあるかもしれません。
歯周病の原因である歯垢(プラーク)を染色することによって、どこにプラークが残っているか知ることが出来ます。そのことを患者さんに知らせることで的確なブラッシング指導もでき、患者さんが日々プラークをおとすことが出来れば、歯周組織の炎症を軽減し歯周病治療が円滑に進み治療効果が上昇します。


染色前
染色前.jpg

染色
染色.jpg

染色後
染色後.jpg



     
ポケット検査

プローブという目盛りのついた器具を使ってまず、ポケット(歯と歯茎の溝)の深さを測ります。また、ポケットの形態、歯茎の歯垢(プラーク)の付着状況、歯石の付き具合
なども見ます。
下図のように、歯周病が進むとポケットは深くなり、数値が高くなります。
プローブ
プローブ.jpg


プローブ挿入(プロービング)プロービング.jpg


健康なポケットと歯周病患者のポケット
比較プローブ.jpg


 歯の動揺度検査
歯周病が進むと歯を支える骨がとけて(吸収して)歯に力(約250g)を加えると動くようになります。この測定法により歯周組織の破壊程度が分かります。

>④X線検査
レントゲン写真は、歯を支える骨の状態を把握するにとても有効なので、歯周病の進行状態の診断に役立ちます。
健康な人のレントゲン像
OP前.jpg


歯周病患者のレントゲン像OP.jpg

上図の様に歯周病が進むと歯の周りの骨がとけて減っているのが分かります。

以上の検査のほかに咬合検査、生化学検査、細菌検査、顎関節機能検査、口臭検査などがあります。

これらの検査結果に基づいて診断をします。診断は、患者さんの歯1本単位でまず診断し、患者さん個人の診断をします。

このように歯1本1本細かく検査・診断することによって、その患者さんに必要な治療が計画することが出来るので検査はとても重要なものとなります。

歯周病は、自覚症状なく進んでいることがありますので、皆さんも半年に1度は検査だけでも受けてみてはいかがですか?
posted by フレンド・デンタル・オフィス at 11:11| 歯周病 | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

歯周病と全身疾患について

歯周病は歯周病菌によって引き起こされる感染症であり、歯を失う大きな原因のひとつです。(全体の40%を占めます)

今回は歯周病菌が体の病気にどの様に害を及ぼすかを書いていきたいと思います。

①狭心症、心筋梗塞

歯周病菌が血管の中に入り込むと、血管の中が詰まる動脈硬化を引き起こし狭心症や心筋梗塞のリスクを高めます。また、心臓に付くと心内膜炎を引き起こすと言われています。


②糖尿病

糖尿病にかかると免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。歯周病の悪化により、血糖値をコントロールしているインシュリンという物質が働きにくくなります。それにより糖尿病も悪化します。この様に、歯周病と糖尿病は相互に関係しあい影響があるので、歯周病を良くすることで糖尿病も良くなると言われています。


③肺炎

飲み込みをする力が弱くなった特に高齢者、寝たきりの方などが「誤嚥性肺炎」を発症しています。誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管そして肺に入ることで起こります。誤嚥性肺炎を引き起こした細菌は、歯周病菌を含む口の中の細菌が多くみられることから、口の細菌が誤嚥性肺炎のおおきな原因の一つと考えられています。

④低体重児  

妊婦さんが歯周病になると低体重児出産や早産となるリスクが増加すると言われています。歯周病の炎症によって出る物質が子宮や頸管に影響する為と言われています。


このように、歯周病が色々な全身の病気に影響を与えている事が分かります。

それでは歯周病はどのように予防すればいいのでしょうか。


歯周病の予防法


①毎日の歯ブラシ
歯周病の原因は取り残した汚れです。汚れを栄養分として歯周病菌は増殖し活発になります。そのため汚れを残さずきれいに磨くことが何よりも歯周病予防で重要となります。

②よく噛むこと
歯と歯が接触する事で汚れが落ちます。また、よく噛むことで唾液が分泌されお口の中を洗浄をします。また唾液には殺菌、抗菌作用があるので歯周病予防になります。

③禁煙 
タバコを吸うことで血の流れが悪くなり、歯ぐきに酸素が行き渡らなくなります。歯周病菌は酸素が少ないと活発に働きます。また自己防衛の免疫の力が落ち、骨を作る細胞の働きも悪くなるので歯周病が進んでしまいます。禁煙はがんや循環器疾患、呼吸器疾患だけでなく歯周病の予防になります。

④定期検診 
定期的に歯ぐきの状態・歯の汚れのつき具合をチェックし、毎日のブラッシングでも取りきれない汚れ・歯石を専用の器具で落とします。また汚れが付かないように歯を滑沢にします。

今後のフレンド通信は、「 歯周病 」にフォーカスしていく予定です。
次回のフレンド通信は歯周病の診査・診断法について書きたいと思います。
楽しみにしていて下さい。
posted by フレンド・デンタル・オフィス at 15:24| 歯周病 | 更新情報をチェックする